
2020年夏 イタリア・ボローニャで撮影
過去と未来をつなぐ。 消えた、隠れた記憶を呼び起こす。 そして未来につなげる。 人と人を、心と心をつなぐ。 そんな作品を。 高く飛ばなくていい。 落ち葉を踏みながら、 苔に触れながら、 風を感じながら。 過去と向き合いながら未来に向かって。
Dialogue between lights and shadows, and more.
最近心がけていることがある。朝食前に近所の公園まで散歩し、靴を脱いで朝日を浴び、裸足のまま草や石の上を歩くことである。先日、イタリア・ボローニャの友人の家(“森の家”)に滞在した際、子供たちと同じように裸足で外を歩いてみて思った。「なんとヤワな足裏になってしまったのだろう」と。子供たちは普通に裸足で歩き回っているのに、僕には石ころが痛くて・・・。こんなことではいかんと。
幸い、パリ郊外の自宅近くには緑豊な公園がある。日中は子供たちとそれを見守る親たちの明るい笑顔と声に満ち溢れている。しかし早朝に人気はない。ただただ静かに朝日を浴び、風が木の葉を揺らす音に耳をすませ、足の裏に土、草、石を感じる。そして樹木の幹に両手をあて、樹木と一緒に地球とつながっていることを想像してみる。
写真を撮ったり、レタッチ作業を続けていると「目/視力」を使う頻度が極端に多くなる。目を閉じて、手のひらや足の裏で何かを感じとったり、自然に触れたりすることで、「目」が休まるだけではなく「心の目」もクリアになるような気がする。